【正解は左手】非常口のあの人はなぜ走る?世界が絶賛した日本発デザインの秘密

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日記

「非常口のマークに描かれているあの人、どっちの手を出して走ってる?」――。そう聞かれて、即答できる人は意外と少ないはず。毎日学校や駅で見ているはずなのに、いざとなると思い出せないこのシルエット。実は、そこには単なる「絵」を超えた、驚くべきデザインの秘密と、日本人の熱い想いが隠されているんです。この記事では、ピクトくんが「左手」を出している理由から、なぜ看板が「緑色」なのかという科学的根拠、そして日本生まれのこのマークがどうやって世界を制覇したのかという感動の誕生秘話までを徹底解説!読み終わる頃には、あなたも街中の非常口をチェックせずにはいられなくなるはずです。

Contents

  1. 1. 究極のクイズ!非常口の「ピクトくん」のポーズはどっち?
    1. 右手?左手?みんなの記憶が曖昧な理由
    2. 【正解発表】実は「左手」を前にして走っている!
    3. 足はどうなってる?躍動感あふれるポーズの秘密
    4. なぜ「左向き」なの?右向きのサインは存在しないの?
    5. 街中で検証!建物によってポーズが変わることはある?
  2. 2. 知れば自慢できる!非常口サインが「緑色」なのはなぜ?
    1. 信号機と同じ理由?緑色が選ばれた科学的な根拠
    2. 火災の時に一番目立つ色が「緑」だった!?
    3. もし「赤色」だったらどうなる?心理的な影響を考える
    4. 背景が「白」と「緑」の2種類あるのは、意味が違うから!
    5. 暗闇で光る仕組み:蓄光(ちっこう)塗料のすごい技術
  3. 3. 日本の誇り!世界標準になった「ピクトくん」誕生秘話
    1. 昔の非常口は「文字」だけだった!?逃げ遅れた悲しい過去
    2. 日本のデザインコンペから生まれた「世界共通言語」
    3. 小谷松敏文さんと太田幸夫さん。生みの親たちのこだわり
    4. 1980年代、日本のデザインが世界を席巻した瞬間
    5. ISO(国際標準化機構)に採用されるまでの熱いエピソード
  4. 4. 非常口だけじゃない!街に溢れる便利なピクトグラム
    1. トイレ、エレベーター、エスカレーター……定番マークの役割
    2. 東京オリンピック(1964年)がピクトグラム普及のきっかけ?
    3. 進化するデザイン:誰にでも伝わる「ユニバーサルデザイン」
    4. 最近増えた「新しいピクトグラム」にはどんなものがある?
    5. 言葉の壁を越える!SNS時代のアイコンとピクトグラムの関係
  5. 5. いざという時に役立つ!非常口の正しい知識とチェック法
    1. 「非常口がある」と知っているだけで生存率が変わる
    2. 避難通路に荷物を置いてない?ピクトくんからの警告
    3. ホテルに泊まったらまず確認!「逃げ道」のシミュレーション
    4. 誘導灯の種類:A級・B級・C級って何が違うの?
    5. 命を守るサイン、今日から意識して見てみよう!
  6. 記事全体のまとめ
    1. あわせて読みたい記事:

1. 究極のクイズ!非常口の「ピクトくん」のポーズはどっち?

右手?左手?みんなの記憶が曖昧な理由

学校の廊下やデパートの天井、映画館の入り口。私たちは毎日、必ずと言っていいほど「非常口のマーク」を目にしています。でも、いざ「あの走っている人はどっちの手を前に出している?」と聞かれると、自信を持って答えられる人は意外と少ないんです。これには人間の脳の仕組みが関係しています。

私たちの脳は、日常的に見慣れているものを「記号」としてパターン認識しています。つまり、「緑色の板に人が走っている=非常口」という情報だけを瞬時に読み取り、その人の指先がどうなっているか、肘がどう曲がっているかといった細かいディテールまでは、あえて記憶しないようになっているんです。これを「認知の節約」なんて呼んだりします。

だから、毎日見ているはずなのに思い出せないのは、あなたの記憶力が悪いわけではありません。むしろ、脳が効率よく情報を処理している証拠でもあるんです。でも、一度気になりだすと、もうあのシルエットが頭から離れなくなりますよね。この記事で、そのモヤモヤをスッキリ解消していきましょう!

【正解発表】実は「左手」を前にして走っている!

お待たせしました。気になる正解を発表します。日本の非常口サインに描かれているあの人物は、**「左手」を前に大きく振り出し、逆に「右足」**を力強く前に踏み出しています。いわゆる、全力疾走している時のポーズそのものですね。

もし手元にスマホがあれば、ぜひ「非常口 ピクトグラム」で画像検索してみてください。あるいは、今座っている場所から一番近い非常口を確認しに行ってみてください。そこには、左手をグイッと前に出して、左側にある「扉」や「光」に向かって必死に走っているピクトくんの姿があるはずです。

このポーズ、実は人間が走る時の自然な形を追求してデザインされています。右足が前に出るときは、バランスを取るために左手が前に出る。この「対角線」の動きをシルエットにすることで、私たちは静止画であるはずのマークから「猛烈に走っている!」という躍動感を感じ取ることができるのです。

足はどうなってる?躍動感あふれるポーズの秘密

手だけでなく、足の形にも注目してみましょう。ピクトくんの右足は膝が直角近くまで曲がり、高く上がっています。一方で、左足は後ろにピンと伸びて、今まさに地面(看板の底辺)を蹴り出したような形をしています。この足の角度が、非常口マークに「緊急性」を与えているんです。

もしこれが、両足が地面についているようなポーズだったらどう見えるでしょうか。おそらく「急いで逃げている人」ではなく、「のんびり散歩している人」に見えてしまうはずです。火事や地震などの緊急事態に「のんびり歩いてください」というメッセージを送るわけにはいきませんよね。

この「足の蹴り出し」のデザインがあるからこそ、私たちは文字を読まなくても「ここは急いで逃げるための出口なんだ!」と本能的に理解できるのです。たった数本の線と塗りつぶされたシルエットだけで、ここまで感情や状況を伝えられるデザインの力って、本当にすごいと思いませんか?

なぜ「左向き」なの?右向きのサインは存在しないの?

「ピクトくんはいつも左に向かって走っている気がするけど、右向きはないの?」という疑問を持つ人もいるでしょう。実は、基本的には**「出口がある方向」**に向かって走るように作られています。そのため、実際の建物では「右向き」のピクトくんもちゃんと存在します!

多くの看板では左向きが標準的なモデルとして使われていますが、例えば廊下の右側に非常口がある場合、左に向かって走っているマークを貼ってしまうと、避難する人が混乱してしまいますよね。そのため、誘導灯(光る看板)には右向きのデザインも用意されており、設置場所に合わせて使い分けられています。

ただし、面白いことに、世界標準(ISO)のルールでは「左に向かって走る」ポーズが基準として登録されています。これは、本などの読み進める方向や、多くの人が「左から右へ」という流れを自然に感じる感覚などが影響していると言われていますが、現場の安全を第一に考え、左右反転させたパターンも広く使われているのが実態です。

街中で検証!建物によってポーズが変わることはある?

ここで一つ、皆さんに街中での検証をおすすめします。実は、ピクトくんのポーズそのものは、日本国内であれば基本的には同じです。これは、法律(消防法)などで細かくデザインの規格が決まっているからです。勝手にアレンジして「逆立ちして逃げるピクトくん」なんて作ったら、検査に通らなくなってしまいます。

しかし、古いビルなどに行くと、たまに今のデザインとは少し違う「レトロな非常口」に出会えることがあります。今のシュッとした体型のピクトくんになる前は、もう少し頭が大きかったり、体のラインが太かったりするものもありました。また、海外旅行に行くと、国によってポーズが微妙に違うこともあるんです。

例えば、アメリカなどでは「EXIT」という文字だけの看板も多いですし、ヨーロッパでは日本と似ているけれど少し足の角度が違うものもあります。でも、日本のこの「左手を前に出すスタイル」は、あまりに完成度が高かったため、今や世界中で「これが一番わかりやすい!」とお手本にされているんですよ。


2. 知れば自慢できる!非常口サインが「緑色」なのはなぜ?

信号機と同じ理由?緑色が選ばれた科学的な根拠

非常口の看板といえば、あの鮮やかな「緑色」ですよね。なぜ赤や黄色ではなく、緑なのでしょうか。実はこれには、しっかりとした科学的な理由があります。それは、人間の目の特性に関係しています。

私たちの目は、明るい場所では黄色や赤に敏感ですが、暗い場所では「青緑色」に最も敏感に反応するようにできています。これを「プルキンエ現象」と呼びます。夜、映画館や暗い建物の中で、遠くにある緑色の光が妙にはっきり見えることはありませんか?それは、あなたの目が暗闇の中で緑色をキャッチしやすくなっているからなんです。

非常時は停電して真っ暗になる可能性が高いですよね。そんな極限状態でも、最も見つけやすい色として選ばれたのが、この緑色なんです。信号機の「進め」が緑(青)なのと同じで、緑には「安全」や「進路」という意味も含まれています。科学的にも心理的にも、緑は「逃げ道」を示すのに最適な色だったというわけです。

火災の時に一番目立つ色が「緑」だった!?

「非常時といえば、炎の色の『赤』の方が目立つんじゃない?」と思うかもしれません。しかし、実はそれが落とし穴なんです。火災が発生すると、あたりは赤い炎と黒い煙に包まれます。もし非常口のサインが赤色だったら、炎の色に紛れてしまって、どこが出口か分からなくなってしまいますよね。

赤色の反対の色(補色)に近い緑色を使うことで、赤い炎の中でも看板がくっきりと浮き上がって見えるようになります。煙の中でも、緑色の光は比較的通りやすい性質を持っているため、避難する人にとっての「命の灯台」のような役割を果たしてくれるのです。

このように、非常口の緑色は「普段から綺麗に見えるため」ではなく、「最悪の状況(暗闇や火災)でこそ力を発揮するため」に選ばれた、究極のレスキューカラーなんです。そう考えると、あの緑色の光が、いつもよりずっと頼もしく見えてきませんか?

もし「赤色」だったらどうなる?心理的な影響を考える

もし非常口が赤色だったら……想像してみてください。赤は「止まれ」「危険」「禁止」を連想させる色です。火事でパニックになっている時に、真っ赤な看板を見たら、脳は無意識に「そっちは危ない!行くな!」とブレーキをかけてしまうかもしれません。

逆に、緑色には「リラックス」「安心」「許可」という心理的効果があります。パニックで心臓がバクバクしている時に、目に優しい緑色の光が見えることで、避難者は少しだけ冷静さを取り戻し、「あっちに行けば助かるんだ」とポジティブな行動に移しやすくなります。

色一つで人間の行動が変わってしまうなんて、色彩心理学の世界は奥が深いですよね。非常口の緑には、物理的に見えやすいというメリットだけでなく、私たちの心を落ち着かせて正しい方向へ導くという、目に見えない優しさも込められているのです。

背景が「白」と「緑」の2種類あるのは、意味が違うから!

皆さんは、非常口の看板に2つのパターンがあることに気づいていますか?

  1. 緑色の背景に、白いピクトくんが描かれているもの
  2. 白色の背景に、緑色のピクトくんが描かれているもの

これ、実は適当に使い分けているわけではなく、法律で決められた明確な違いがあるんです。 「緑背景(緑がメイン)」のものは**【非常口そのもの】**を表しています。つまり、その看板のすぐ下に扉があるという意味です。

一方で「白背景(白がメイン)」のものは**【非常口がある方向】**を指しています。廊下などで「あっちに出口があるよ」と案内するための誘導灯なんですね。

  • 全部緑=ここがゴール(出口)!
  • 白が多い=こっちだよ(案内)! と覚えると、いざという時に迷わずに済みますよ。

暗闇で光る仕組み:蓄光(ちっこう)塗料のすごい技術

非常口のサインには、電気で光る「誘導灯」タイプと、シールや板だけでできているタイプがあります。電気を使わないタイプは、どうして暗闇で光るのでしょうか。その秘密は「蓄光(ちっこう)」という技術にあります。

蓄光塗料は、太陽や蛍光灯の光をエネルギーとして蓄え、周りが暗くなるとそれを光として放出する特殊な材料です。最近の技術は本当にすごくて、わずかな光でもしっかりチャージでき、一度光り始めると数時間も輝き続けるものもあります。

もし大きな地震でビルの電源が完全に落ちてしまっても、この蓄光タイプのサインがあれば、階段の場所や出口の方向がわかります。電気に頼らず、自ら光を放って道を示すピクトくんは、まさに暗闇のヒーロー。地味な板に見えるかもしれませんが、そこには日本の最先端の化学技術が詰まっているのです。


3. 日本の誇り!世界標準になった「ピクトくん」誕生秘話

昔の非常口は「文字」だけだった!?逃げ遅れた悲しい過去

今では当たり前のようにある「走る人のマーク」ですが、昔の日本にはありませんでした。昭和の半ばごろまでの非常口は、漢字で「非常口」と書いてあるだけだったり、英語で「EXIT」と書かれていただけだったんです。

しかし、1970年代に悲しい事件が起きました。大きなビルで火災が発生した際、煙の中で文字が読めなかったり、パニックで言葉の意味が頭に入ってこなかったりして、多くの人が逃げ遅れてしまったのです。また、日本語が読めない外国人にとっても、文字だけの看板は役に立ちませんでした。

「言葉がわからなくても、誰が見ても一瞬で出口だとわかるデザインが必要だ」。そんな痛烈な反省から、新しいマークの開発が始まりました。ピクトくんは、過去の悲劇を二度と繰り返さないために、必死の思いで生み出された「命のシンボル」だったのです。

日本のデザインコンペから生まれた「世界共通言語」

1978年、当時の消防庁が新しい非常口マークのデザインを公募(コンペ)しました。全国からたくさんのアイデアが集まりましたが、その中で選ばれたのが、小谷松敏文さんというデザイナーの作品でした。

それが、今のピクトくんの原型です。当時の審査員たちは「これだ!」と直感したそうです。なぜなら、そのデザインには「走る」という動作が最もシンプルに、かつ力強く表現されていたからです。誰が見ても「逃げろ!」というメッセージが伝わる。これこそが、デザインが持つ本来の力でした。

その後、この日本発のデザインをさらに改良し、より見やすく、より洗練させたのが、多摩美術大学名誉教授の太田幸夫さんたちです。日本人の細やかな感性と、安全への強いこだわりが、世界で最も有名なシルエットの一つを作り上げたのです。

小谷松敏文さんと太田幸夫さん。生みの親たちのこだわり

ピクトくんのポーズには、デザイナーたちの並々ならぬ「こだわり」が詰まっています。例えば、足の角度。少しでも角度が変わると、走っているように見えなかったり、逆に転びそうに見えたりします。何百回、何千回とスケッチを繰り返し、最も「走っている」と感じる黄金比が見つけ出されました。

また、ピクトくんには「目」も「口」も「服」もありません。もし特定の服を着せてしまったら、その文化圏以外の人には違和感が出るかもしれません。特定の表情をつけたら、状況の深刻さが伝わりにくいかもしれません。

「情報を削ぎ落とし、純粋な『動き』だけを残す」。この引き算の美学こそが、日本のデザインの真骨頂です。小谷松さんや太田さんたちが目指したのは、アート作品ではなく、世界中の誰の命も救える「完璧な道具としてのデザイン」だったのです。

1980年代、日本のデザインが世界を席巻した瞬間

日本で作られたこの優秀なマークは、すぐに世界から注目されました。1980年代、国際標準化機構(ISO)という、世界中のルールを決める会議で「どの非常口マークを世界標準にするか」という議論が行われたんです。

そこには、日本案のほかに、ソ連(今のロシア)案なども提案されていました。ソ連の案は、もっとカチッとした、少し硬い印象のデザインだったそうです。しかし、日本のデザインは「躍動感があって、遠くからでも識別しやすい」と圧倒的な支持を受けました。

1987年、ついに日本のデザインが世界標準として採用されました。今、あなたが海外旅行に行って、パリのルーブル美術館やニューヨークのタイムズスクエアで緑色の走る人を見かけたら、それは「日本生まれのデザイン」なんです。これって、日本人としてすごく誇らしいことだと思いませんか?

ISO(国際標準化機構)に採用されるまでの熱いエピソード

世界標準になるまでには、実は熱いバトルもありました。各国の代表が集まる会議では「うちの国のマークの方がいい!」という意見が飛び交います。その中で、日本代表の太田幸夫さんたちは、科学的な実験データを武器に戦いました。

「煙の中でどれだけ見えるか」「子供や高齢者がどう感じるか」という膨大なデータを提示し、日本案がいかに優れているかを証明したのです。最終的に、日本案をベースにしつつ、国際的な意見を取り入れて今の形に微調整されました。

この時、日本がこだわった「緑色」も世界標準として認められました。日本の「命を守るための情熱」が、言葉や国境の壁を突き崩した瞬間でした。ピクトくんは、日本が世界に贈った、最高のプレゼントの一つと言えるかもしれませんね。


4. 非常口だけじゃない!街に溢れる便利なピクトグラム

トイレ、エレベーター、エスカレーター……定番マークの役割

私たちの周りには、非常口以外にもたくさんのピクトグラムがあります。男子トイレの青いシルエットや女子トイレの赤いシルエット、車椅子マーク(国際シンボルマーク)、エスカレーターに注意を促すマークなど、数え上げればきりがありません。

これらのマークに共通しているのは、「説明しなくてもわかる」という点です。もしトイレに「御不浄(ごふじょう)」とか「Latrine(ラトリン)」なんて書いてあっても、今の私たちは一瞬で理解できないかもしれません。でも、あのシルエットがあれば、子供でも外国からの観光客でも、迷わずたどり着けます。

ピクトグラムは、忙しい現代社会において「情報のショートカット」をしてくれる存在です。看板を見るたびに立ち止まって文字を読み、意味を考えるという手間を省いてくれる。街がスムーズに動いているのは、影の立役者であるピクトグラムたちのおかげなのです。

東京オリンピック(1964年)がピクトグラム普及のきっかけ?

ピクトグラムが日本でこれほど発展したのには、歴史的なきっかけがあります。それが、1964年の東京オリンピックです。当時、世界中から選手や観客が集まりましたが、当時の日本人は今ほど英語が得意ではありませんでした。

「言葉が通じなくても、競技会場やトイレの場所を教えるにはどうすればいいか?」という課題に直面した日本の若手デザイナーたちが、知恵を出し合って作ったのが、スポーツピクトグラムの始まりです。これが世界で初めて、大会全体で統一されたピクトグラムが導入された事例となりました。

この時の成功が、後の非常口マークや公共施設のマークへとつながっていきました。日本の「おもてなし」の心が、視覚的なわかりやすさを追求するピクトグラム文化を育てたと言っても過言ではありません。2021年の東京オリンピックでの「ピクトグラム・パフォーマンス」が話題になったのも、この深い歴史があったからこそなんです。

進化するデザイン:誰にでも伝わる「ユニバーサルデザイン」

最近のピクトグラムは、さらに進化しています。キーワードは「ユニバーサルデザイン(すべての人のためのデザイン)」です。例えば、トイレのマーク。昔は「青=男」「赤=女」という色の違いだけで判断していましたが、今は色覚多様性(色の見え方が人によって違うこと)に配慮したデザインが増えています。

色だけに頼らず、シルエットの形をより明確に分けることで、色が判別しにくい人でも間違えないように工夫されています。また、授乳室やオムツ替えシートのマークなど、多様なライフスタイルに合わせた新しいピクトグラムも次々と誕生しています。

ピクトグラムは、決して完成された「古いもの」ではなく、時代に合わせて変化し続ける「生きているデザイン」です。誰もが取り残されない、優しい社会を作るために、ピクトグラムは今日も形を変えながら、私たちの生活に寄り添ってくれています。

最近増えた「新しいピクトグラム」にはどんなものがある?

街を歩いていると、「あ、これ初めて見た!」という新しいマークに出会うことがありませんか?例えば、スマホの持ち込み禁止を示すマークや、ドローン禁止のマーク。これらは、新しいテクノロジーや社会の問題が生まれるたびに、必要に応じて作られたものです。

また、最近では「ヘルプマーク」もよく見かけるようになりました。義足を使っていたり、内部障害があったり、外見からは分からなくても助けを必要としている人が身につけるマークです。赤い背景に白いプラスとハートが描かれたこのマークは、助け合いの精神を形にした新しいピクトグラムの代表格です。

他にも、Wi-Fiスポットを示すマークや、キャッシュレス決済ができることを示すマークなど、私たちの「欲しい情報」を瞬時に教えてくれる新しい仲間が増えています。次に街に出た時は、ぜひ「新顔」のピクトグラムを探してみてください。

言葉の壁を越える!SNS時代のアイコンとピクトグラムの関係

実は、皆さんが毎日使っている「絵文字(Emoji)」も、ピクトグラムの親戚のようなものです。スマホで送る「❤️」や「👍」といったマークは、文字よりもダイレクトに感情を伝えてくれますよね。実は、Emojiという言葉も今や「Sushi」や「Ninja」と同じように世界共通語になっています。

SNSの「いいね」ボタンや、アプリの「設定(歯車)」アイコン。これらもすべて、視覚的な記号で意味を伝えるピクトグラムの考え方がベースにあります。画面が小さく、情報量が多いデジタル世界では、文字よりも図形の方が圧倒的に認識しやすいからです。

非常口のピクトくんから始まった「言葉を越えるデザイン」の精神は、今や私たちの手のひらの中、スマホの世界でも主役として活躍しています。私たちは、歴史上もっともピクトグラムを使いこなし、ピクトグラムに助けられている世代なのかもしれません。


5. いざという時に役立つ!非常口の正しい知識とチェック法

「非常口がある」と知っているだけで生存率が変わる

皆さんは、映画館やコンサート会場、地下街に入った時、最初に何をしますか?「まずは自分の席を探す」という人がほとんどでしょう。でも、防災の専門家はこう言います。「まず一番近い非常口を確認しなさい」と。

「そんなの、火事になってから探せばいいじゃん」と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。煙が立ち込め、視界が悪くなったパニックの中で、初めて行く場所の出口を探すのは至難の業です。人間はパニックになると「来た道を戻ろうとする」という習性があるため、入り口に人が殺到し、大事故につながることもあります。

入館した時に、あの緑色のピクトくんをチラッと確認しておく。たったそれだけの「心の準備」が、もしもの時の生存率を劇的に引き上げます。「あっちにも出口があるんだな」と知っているだけで、冷静な判断ができるようになるのです。

避難通路に荷物を置いてない?ピクトくんからの警告

どんなに素晴らしい非常口マークがあっても、その先の通路が荷物で塞がっていたら意味がありません。デパートの階段の踊り場や、ホテルの廊下の隅に、段ボールや掃除用具が置かれているのを見たことはありませんか?

実はこれ、消防法で固く禁じられている非常に危険な行為です。ピクトくんが指し示している方向は、文字通り「命の道」です。そこに障害物があると、煙の中で足を取られて転倒したり、避難が遅れたりする原因になります。

ピクトくんは、ただ走っているだけではありません。そのポーズで「ここを通り道として常に空けておいて!」という警告も発しているのです。もし自分の学校や塾、アルバイト先で非常口の前に荷物があったら、それはピクトくんからのSOS。勇気を持って片付けるか、大人に伝えましょう。

ホテルに泊まったらまず確認!「逃げ道」のシミュレーション

修学旅行や家族旅行でホテルに泊まった時、部屋に入ってまずテンションが上がりますよね。でも、荷物を置いたら30秒だけでいいので、ドアの裏側を見てください。そこには必ず「避難経路図」が貼ってあります。

「今いる部屋から一番近い非常口はどこか」「階段は右か左か」。これを頭の中で一度シミュレーションするだけで十分です。特にホテルは夜間に火災が起きることが多く、寝起きでパニックになりやすい場所です。

また、夜の廊下で非常口の明かりがどう見えるかを確認しておくのも良いですね。あの緑色の光を「安心の印」として認識しておけば、万が一の時もピクトくんがあなたを優しく出口までエスコートしてくれます。旅の思い出を安全に持ち帰るための、大切なルーティンです。

誘導灯の種類:A級・B級・C級って何が違うの?

非常口の光る看板(誘導灯)には、実は「サイズ」によるランクがあるのを知っていますか?建物の広さや用途に合わせて、A級・B級・C級の3種類に分けられています。

  • A級: 最も大きいサイズ。広い百貨店や地下街、駅のホームなど、遠くからでも見えないといけない場所に設置されます。
  • B級: 中くらいのサイズ。一般的なビルや学校の廊下などでよく見かけます。
  • C級: 最も小さいサイズ。小規模な店舗や、部屋の出口などに使われます。

普段は何気なく見ている非常口ですが、実は「遠くから見えるように大きくしよう」「ここは近いから小さくて大丈夫」といった具合に、プロの手によって計算され、配置されているんです。次に非常口を見つけたら、「これは何級かな?」なんて予想してみるのも面白いかもしれません。

命を守るサイン、今日から意識して見てみよう!

さて、ここまで非常口のピクトくんのポーズから歴史、色の秘密までたっぷり解説してきました。次に見かけた時、きっと今までとは違う印象を受けるはずです。

「あ、今日も左手を出して頑張って走ってるな」「ここは背景が緑だから、すぐそこが出口なんだな」という風に、知識があることで街の景色が少しだけ違って見えてきます。そしてその知識は、いつかあなたや、あなたの大切な人の命を救うことになるかもしれません。

ピクトくんは、24時間365日、私たちが寝ている間もずっと、文句一つ言わずに「逃げ道」を指し示してくれています。そんな健気なヒーローに敬意を表して、今日からぜひ、街中の非常口を意識して見てみてください。安全への意識を持つこと、それがピクトくんが最も喜ぶことなのです。


記事全体のまとめ

非常口のピクトグラムに描かれている人物は、「左手」を前にして全力で走っているポーズが正解です。このデザインは1970年代の日本の悲しい火災事故を教訓に、言葉や年齢を越えて「誰でも一瞬で理解できる」ことを目指して日本で生まれました。 その卓越したデザイン性と、暗闇でも見やすい「緑色」の科学的な根拠が認められ、今や世界標準(ISO)として地球中の安全を守っています。何気ない看板の一つに、日本のデザイナーの情熱と最先端の知恵が詰まっているのです。次に非常口を見かけたら、その躍動感あふれるポーズと「命を救うための歴史」を思い出してみてくださいね。

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